カテゴリ: 図書館巡り

肩関連の本を読む為に、久喜図書館へ行った。

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吉田進のパワーリフティング入門、勉強になった。




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肩後部タイトネスは障害の始まり。



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加圧トレー二ングに関する論文や、現場での知見を普段論文とか読まない人にもわかりやすく説明した本。

•この本から得られた知見

寝てる状態から立つだけで下肢の血圧は上がる

徐圧後は、加圧する前よりも血流が良くなる

加圧では速筋線維が低負荷でも動員されやすい

加圧トレーニングでの筋肥大や筋力向上には、メカニカルストレス以外の要因が深く関わる

2週間、朝晩12回の加圧トレーニングでも筋肥大が起きた

加圧のみ(トレーニングなし)でも2weekギプス固定による筋萎縮が半減した

健常者では加圧するだけでは筋肥大も筋力増加も起こらなかった(トレーニング+加圧が必要)

加圧トレーニングは筋肥大効果の転移が起こる (腕の加圧トレでも脚も発達する)(普通のトレーニングでも筋肥大の転移は起こるらしい)

加圧トレーニングによって増えるもの 成長ホルモン IGF-1  ノルアドレナリン 乳酸 インターロイキン6 NO

成長ホルモンは安静時の290倍←これについては色々ツッコミが多いみたいですが


低負荷でも筋肉に対しての効果(筋量増、筋力増)が大きく、組織の治癒を促進する加圧トレーニングは、怪我や故障でリハビリ中の人こそやるべきだなと思いました。この本に書かれている内容だけ見ると、骨折が短期間で治ったり、ずっと停滞してた筋力が向上したり、ヘルニアが改善したり、良い事尽くめですが、加圧による活性酸素の諸問題については、この本ではあまり触れられていませんでした。

抗酸化対策として、加圧やる人はビタミンA、C、D、E、レシチン、リコピン、イチョウ葉エキス、脂溶性ビタミンC、アルファリポ酸、アシュワガンダ、レズベラトロール、CoQ10、ケルセチン、アスタキサンチン、ルテイン、ホーリーバジル、ブロメライン、 メラトニン、EGCG、セサミン、アルギニン、クレアチンあたりは摂った方が良いのかもしれません。



元々はアジアチャンピオンになる程の一流ボディビルダーで、天理高校を選抜優勝に導いたり、多くの国体選手達を指導したりして、結果を出し続けていた小山裕史さんが、一体なぜ終動負荷形態のトレーニングを否定する様になり、初動負荷理論を生み出すに至ったのか、この4冊を読んで調べてみた。

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小山さんは、初動負荷理論の発案者として、今でこそ多くのアスリートに初動負荷トレーニングマシンを用いて指導をしているけど、初動負荷理論を提唱する様になる前は、所謂一般的なウエイトトレーニングの指導をしていた。
それこそ普通にスクワットやデッドリフト、ベンチプレスなどのフリーウエイト種目を基本としつつ、補助的にマシンも使用して鍛えていくという、今でもそこら中で行われている様なトレーニング指導だった。
その時代に、各筋群におけるウエイト種目の正しい(故障を防ぎ、効果を最大化する)フォームや、重量設定の方法、効率的なセットの組み方、種目の順番などを、実践者が迷う事のない様に事詳しく解説した本が、一番左の「トレーニング革命」(1985年刊行)。

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1985年当時の事はよく知らないけど、フォームやセットの組み方などをあそこまで詳細に記した本はなかった、という意味で「革命」だったのだろうか。
「初動負荷理論による野球トレーニング革命」を始めて読んだ時の衝撃と比べると革命感はそこまで感じなかった。(こっちの方が先に出たから当然と言えば当然だが)読んだ感想としては「投げる」「打つ」「走る」といった動作の分析はあるにはあったが、基本的にはウエイトやって全身強くなればOK的な発想が見受けられた。各トレーニングの解説とかを読んでたら、なんとなくNSCAの教本を読んでる気分になった。そして勿論、この時点では初動負荷理論のしょの字もまだ出てきてない。


次に刊行されたのは「新トレーニング革命」(1991年)

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率直な感想としては、前著の様な「強ければ良い」という思想はなくなってきていると感じた。
だが、初動負荷マシンはまだ生まれてないし、フリーウエイトのトレーニングも注意するポイントはあるとしたが、否定はしていない。(小山さんは、初動負荷理論を発表した後もフリーウエイトのスクワットはやらせていた。その時代に指導を受けていた伊東浩司さんは、スクワットで臀部とハムを発達させた)
この本の段階では、まだフリーウエイトを基本としたウエイトトレーニングを指導の中心としている。
印象的なフレーズとしては、
•可動域が失われている状態でトレーニングをしても「投げる」や「泳ぐ」といったことの強化には結びつかない
•エネルギー、あるいは筋力発生の根幹部を鍛える
•「弱さ」=「筋力トレーニングの必要性」と判断するのは危険性を高める
など、後の初動負荷理論に繋がっていく考え方がこの頃には生まれていたことがわかる。



次は「新訂版 新トレーニング革命 」(1994年)
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ここで始めて「初動負荷理論」という言葉が出てきた。遂にチューブや油圧抵抗などの、完全なる終動負荷形態のトレーニングは完全に否定される様になった。
「身体動作と筋力の融合 Harmonizing Performance(Body Movement) and Muscle strength」という概念もこの本で始めて表記された。
フリーウエイトでのベンチプレスに否定的な見解を示したり、終動負荷形態のトレーニングが身体動作にいかに影響を与えるか、ということを詳細なデータと共に説明していた。
それらを読む限りでは、初動負荷の素晴らしさと、終動負荷形態のトレーニングをアスリートにさせることの危険性は十分に伝わってきた。
でも、この本の構造は少し変わっていて、読み始めの2割程は改訂された(追加された)文章で、その部分では初動負荷理論の紹介と終動負荷形態トレーニングへの問題提起を行っている。
だが、それより後のページでは、基本的には前著と全く同じ内容で書き直しもされておらず、その名の通り前半2割程を新訂しただけの構造になっている。
その結果、この本は最初の部分では、初動負荷トレーニングの効果の説明や終動負荷形態のトレーニングへの否定が行われている一方で、中盤から後半にかけては、終動負荷形態ともいえるトレーニング(つまり従来通りのトレーニング)の詳細なやり方の説明と解説が一冊の本で行われている、という一見矛盾したチグハグな内容になっていると感じた。



そして最後は言わずと知れたこれ。
「初動負荷理論による 野球トレーニング革命」(1999年)
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この本はこれまでの著書とは少し異なっていて、トレーニングの説明よりも野球の動作のメカニクス解説部分の方が多い。おそらくこの本を書く時の小山さんは、自分の中のメカニクス論をぶちまけようとしていたのでは?読み易さよりも、メカニクスを詳細に説明することに全振りした様な印象を持った。複雑な動作を文章で説明しているので、中々解りづらい所も多いが、読み応えはこれまでの4冊の中で一番。野球をある程度やってきて「投げる」という動作を感覚的には知っている私でも、この本の投球動作のメカニクスについて書かれていることを完全に理解出来ているとは到底言い難い。ここに書かれている事を、自分の動作に落とし込む事が出来ている人達が、イチローさんであり山本昌さんなのだろう。



まとめると、
これらの本の情報だけでは
•小山さんがなぜ初動負荷を考案するに至ったのか?
•なぜこれまで通りのウエイトトレーニングだけではダメだと思うに至ったのか?
•何かきっかけがあったのか?
•初動負荷理論を考案する以前でも様々なアスリートを指導して結果も残してきたのに何故方針転換したのか?
などの疑問を解消することは出来なかった。長年に渡って多くのアスリートを指導していく中で、小山さんの中で段々と方向性が変わっていった事は分かったのだか、その方向性の転換に直接的に繋がる様なエピソードなどの情報はなかった。と言うか、よく考えてみたら「直接的に繋がる様なエピソード」って、自分の指導で(従来通りのウエイトトレーニングで)、上手くいかなかった(パフォーマンスが上がらなかった)アスリートが少ないながらも存在したって事を書かざるを得なかったのかもしれないので、プライバシー的にもそういう部分は伏せるしかなかったのかもしれない。

今日は12時頃から久喜中央図書館へ行った。
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目的はこれ。
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小山裕史さんのエッセイ。「夢の途中で」1987年刊行。

小山さんって野球界を筆頭に色々な業界で有名だけど、ワールドウィングを設立する前に何をやっていたのかは知らない人も多いと思う。自分も知らなかった。この本読んだら、浪人時代、大学時代、会社員時代、ワールドウィング設立初期の話が色々書いてあった。また、噂に違わず?小山さんの奇人変人エピソードも色々書いてあった。

読みながら書いたメモ↓
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個人的には、正月に合宿してる選手達から「季節感のあるものが食べたい」と言われた小山さんが卵焼きを作る時に、届いていた年賀状を細かくして卵焼きの中に混入させ、選手達に振る舞った話が一番ぶっ飛んでて面白かった。笑

ただ、一番知りたかった、小山さんはなぜ初動負荷理論を発明したのか?何がきっかけだったのか?については分からずじまいだった。

他にも読んだ本↓
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「勝つ人」の中で伊東浩司と武井壮の対談があった。伊東浩司は現役時代、踵が高い靴は履かないようにしていたという。革靴とかもわざわざ底を削ってもらってたらしい。

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